「マンジャンホン（満江紅）」

日中関係が冷え込んでいる今、 中国映画！と眉をひそめる方も入れかもしれないけれど、
いえいえ、文化交流は関係ないでしょ！

あの世界的に知られた巨匠チャン・イーモウ監督作品と聞いただけで観る気になった。
結論から言えば「面白い！」のひとこと。

12世紀、中国が南宋と名乗り金という大国との戦いに疲弊していた時代の話。
「満江紅」は金との戦いで大活躍した英雄岳飛（がくひ）が、
非業の死を遂げる寸前に残した詩（でいいのか？）のこと。

徹底抗戦派と和睦交渉派に分かれ
スパイの可能性が判明する金からの密書を見つけ出すために人々が奔走する。
何しろ怪しければすぐ殺されてしまうのだからみんな必死だ。
自分の命を守るためにあの手この手のだましあい合戦。

中国時代劇によくあるただただ規模の大きいチャンバラ合戦映画かと思ったら全然違った。
二転三転どころではない。五転六転・・・
もちろんあり得ない展開もあるけれどそんなことはどうでもいい！
息もつかせない「エー！！」という驚きの連続でそのままラストまで行ってしまう。

宮廷内の出来事が中心だけれど、とにかく広いからあっちこっち移動して狭さを感じさせない。
壮大な音楽に乗って移動するたびになんか笑ってしまう。
喜劇の要素もあちこちにあって、 チャン・イーモウってこんなお茶目な部分もあるんだー。

賛否両論ありそうな映画だけれど、 この傑作映画がわずかな映画館でしか上映されず、
広告宣伝も少ないのはどうしてだろう？
日中関係冷え込みがやはり影響しているのだろうか?

政治はいろいろあれどエンタメ業界は冷静に行きたい。